第22回 東京国際映画祭 コンペティション公式出品作品
制作プロダクション: スカンヂナビア
支援: 文化庁
特別協力: トヨタ自動車、日本たばこ産業 他
監督・脚本: 辻仁成
主題歌:「アカシア」持田香織
出演:アントニオ猪木、北村一輝、坂井真紀、石田えり、川津祐介 他
プロデューサー: 杉澤修一

人との出会いから生まれた映画と言っても過言ではないと思う。
とある方の紹介で、パリで小説家・ミュージシャン・映画など多才に活躍されている
辻仁成監督と出会う。

そして、主役を演じて頂いた、アントニオ猪木さんと偶然の再会。
こうして、この映画の土台となる思いや想像が創造されていった。

辻監督の映画制作に対する「思い」は、様々な場面で垣間見ていた。そして、その決断をするタイミングは意外にも早く来た。映画制作の決断をしてからの流れも早かった。

何と言っても運命を感じた瞬間がある。それは、ホテルオークラで辻監督と映画の打ち合わせをしていた時だった。キャストをどうするのか。特に、主役をどうするのか。


その後、主演という大役を担うことになるアントニオ猪木さんだが、これまで様々な形でご一緒させて頂いていた。私のラジオ番組にもゲストで来ていただいたり、楽天イーグルス立ち上げ一年目のキャンプ地にも激励訪問してくださった。そして結婚式では、詩の朗読と気合入れまで。。。そんな経緯を辻監督とも話したことがあり、猪木さんの名前がこの映画の主演候補で出てくること自体は不思議なことではなかった。

しかし、「猪木さんを主演で。。。」と話をしたとき、何と目の前を猪木さんが偶然通りかかったのだ。嘘の様な本当の話である。この運命的な瞬間を勝負師が素通りさせるはずがない。私が勝手に感じたことだが、出演交渉もあったが、猪木さんもどこか既に心に運命的なタイミングを感じ取っていた気がする。


今だからわかることだが、ふり返るってみるとこの映画の制作プロセスは決してスタンダードではなかった。勢いで映画を作るなとは良く言う言葉だが、逆に勢いが無い作れないとも言える。しかし、それをビジネスとして公開させていくプロセスには、それなりのビジネススキームとフレームワークが必要になる。 そうしないと、必ず無理が生じる。我々の様に初めての取り組みの場合、全てが事後で報告されたり、実態を知ったりする。要するに、判断なく物事が流れて行くことになる。結果、無理をしなければならなかったり、物事の順序を間違うと、そのメリットを得られなくなったりもする。

映画製作は終わり、最終的に国際映画祭にまでノミネートされるなど、公開前にもラッキーなことが続いた。

そして、何より1つ最初の狙いと全くずれていなかったことは、猪木さんのパブリシティ力だ。通常であれば、相当のPR予算を投下しなければならないといけないはずだが、公開までに数億円規模のPR効果を猪木さんというコンテンツのお陰で、この映画は得ることが出来ている。


エンドロールが流れ、どれだけの関係各社(者)のお陰でこの映画が完成したのかが一目でわかる。しかし、今回の「ACACIA」には、エンドロールには出てこない方々の尽力は計り知れない。前でも述べたように、制作プロセスがスタンダードな順序で進んでこなかった分を、どこかで無理をするか、力技を使うしかなくなる。その時に、これまで培ったネットワークが本当に支えになったことは事実である。間接的であるが故、なかなか制作表記に直接現れてはこない人も大勢いる。こうした方々の力が無ければ、制作プロセスのゆがみを取り返すことや、継続することすらできなかったはずだ。そして、映画に関わらず、いつも個人的にも、会社的にもサポートして頂いていることに、本当に感謝したい。感謝と言う言葉を上 回る言葉があるならば、まず水面下の有り難いサポーターの方々に贈りたいと思っている。


映画プロデュースの1作目。様々なことを英語で言うならば、Hard wayで経験できた。そのため、これからは効率良くプロセスも踏んでいけるであろう。人々に感動を。。。ということ以前に、制作のプロセスを全うすることと、それを支援頂き完成できることへの感謝の思いが、私の脳裏に最初に浮かぶことかもしれない。