企画制作: AIR STUDIO
制作協力: トライアングル、スカンヂナビア
後援: 文化庁
協賛: 日本コカ・コーラ 他
プロデューサー: 小林秀平
アソシエイツ.プロデューサー 杉澤 修一

忘れちゃいけない事ってある。日本の将来の為にも。少なくとも、日本の未来の平和や幸せの為に、戦争で自らの命を捧げた方々が数多くいらっしゃることを。そんな、強烈な思いに浸る舞台「MOTHER」と出会ったのは2009年12月だった。

主演大林素子の熱演が光る。観てもらうまでは、女優大林素子は理解されないのかもしれない。長年にわたる友人でもある、彼女だが、決してそういう友人の目で観ているわけではない。本当に努力の賜物といえる名演を披露しているのだ。2時間半で休憩なしのこの舞台だが、気を緩ませるところなく、観客をぐいぐいと引き込んでいく力がある。セットも変わることなく、幕の上げ下げでなぜこんなに人を引き付けられるのか。藤森一朗氏の脚本・演出力の不思議な力が働いている。私も、藤森氏の創造性には心底共鳴させて頂いている。

2010年5月の再公演に向けて、舞台の感動ストーリーは間違いない確信があった。あとは、パブリシティをいかに稼いで、認知を高められるか。また、賛同頂く企業様にいかにマーケティングメリットを及ぼすことが出来るかがポイントだった。単なる告知ではなく、舞台のキャストやストーリーをコンテンツとして扱う力を持っているかつ、情報発信環境が整っている企業を私は求めていた。そうすれば、舞台の告知もさることながら、コンテンツの活用から企業メリットも同時に創出することができる。そこで、冠スポンサーになって頂いたのが、日本コカ・コーラ社だった。外資、しかもアメリカの企業が特攻隊の舞台の冠スポンサー?と、違和感を色んな意味で醸し出すことは承知の上、それでも同社は快く賛同して下さった。WEB上では、舞台の特設ページが開設され、チケットプレゼントキャンペーンや出演者の動画放映、サイン入りグッズプレゼントなど、様々な企画が展開された。

更に、パブリシティを稼ぐための施策は、前回の舞台に新企画を取り入れたこと。それは、舞台開始直後に特攻隊の遺書などを朗読する企画である。公演の度にキャストを変え、これまでの舞台演技オンリーの発信を、朗読キャストにもそれを託したのである。主演の大林素子が元アスリートということもあり、オリンピックアスリートらを中心に朗読キャストを依頼した。中野浩一氏、宮下純一氏、森末慎二氏らが快くこの朗読企画を引き受けてくださった中、千秋楽にサプライズで企画していたキャスティングが急遽NGとなってしまった。仕方ない、残念だが最終日は朗読企画なしで望むしかないと心に決めていたのだが。。。なんと観客として来場頂いた和泉元彌氏に開始直前ダメもと朗読企画飛び入り出演交渉!見事成立!あり得ない。が、とにもかくにも幕はあいた。一体、どんな絵が千秋楽というキャンバスに描かれるのだろうか。。。誰もが不安に感じ、期待を膨らませた瞬間だった。


一言。そして芸術だった。


何のリハもなく、ぶっつけ本番でこんなに表現が出来るものなのか。こんなに、人の心を揺さぶれるものなのか。正直、目の前に広がる世界が信じられなかった。感動した。無の境地から生まれた、スーパーショットの瞬間と変わらない。

天王洲銀河劇場での8公演に及ぶ舞台は、連日満員御礼。そして、何より来場者が皆、涙、涙の感動をし、心から喜んで頂けたことが嬉しかった。もちろん、協力企業様らも同様である。本当にありがたい限りだ。 今回、小西博之さんのキャスティングも大きかったと思う。舞台裏で、豊富な経験をみんなとシェアして下さったことは、何にも変えられない財産と言えよう。

千秋楽後の打ち上げも、ただの打ち上げではなかった。それぞれの達成感と、チームワークが生み出した感動が入り混じり、ボルテージは最高潮。ただ、一つこの舞台関係者に言えることがある。それは、どこまで行っても謙虚である。感謝の気持ちを忘れない。舞台の成功で舞い上がって、その趣旨である特攻隊の方々の思いを伝える役目であるということを、決して忘れないスタンスがある。

舞台「MOTEHR」を通じて日本の未来の平和や幸せの為に、戦争で自らの命を捧げた方々が数多くいらっしゃったこの事実、そしてその方々の思いの一部を日本中、世界中に発信するために、さらなる場所を模索していかなければならない。幸いにも、2011年春には、再々公演が決定した。全国ツアーへと発展させ、願わくば映像として作品化することが、次なるミッションである。